大河ドラマ『べらぼう』第23話は”我こそは江戸一利者なり”。蔦重が商いの中心・日本橋に店を出する決意を固めます。親父さまに階段から突き落とされても一段一段登っていく蔦重の気迫。雨の中、仁王立ちする後ろ姿。横浜流星さんの気迫に満ちた姿が印象的でした。
・23話を見逃してしまった
・23話のみどころやあらすじ、江戸ことばは？
・『べらぼう』再放送は？どこで見れる？全話を見たい！
について、お届けします。
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【簡単あらすじ】第23話”我こそは江戸一利者なり”
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
・太田南畝の名前が世間に知れ渡り、蔦重は「江戸一の利者」と呼ばれる
・須原屋から日本橋に出店しないかと勧められる
・「吉原もの」の扱いに、蔦重は日本橋を目指す！
狂歌で南畝（桐谷健太さん）の名が江戸中に知れ渡り、蔦重（横浜流星さん）が手掛けた狂歌の指南書『浜のきさご』などが飛ぶように売れます。耕書堂は江戸で大注目の本屋となり、蔦重も「江戸一の利者」と呼ばれ、須原屋（里見浩太朗さん）から日本橋に進出することを勧めらます。
一方、誰袖（福原遥さん）は、商人を通さず直接オロシャから琥珀を買い付けてはどうかと、松前廣年（ひょうろくさん）を口説こうとしますが…。
戦国時代の大河ドラマ風に考えると、理不尽な運命＋お家のため＝吉原のため。という大義名分を再認識、メンター須原屋さんや南畝や喜三二といった仲間たちの存在に力を得て、いよいよ天下取りの合戦が始まります。
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蔦重に足りないのは「日本橋」だけ！
狂歌ブームに火がついて、狂歌の指南書『浜のきさご』が飛ぶように売れて、熊野屋さんが蔦重に引き合わせた関取の皆さんも、長谷川平蔵たちも「ひとり一冊」状態。猫も杓子も「狂歌三昧」です。
吉原・五十間道の「耕書堂」は大繁盛。蔦重は「江戸一の利者」「風雲児」と呼ばれ、評判はうなぎ登りです。
ですが、相変わらず吉原は「四民の外」。地本問屋の株仲間にも入っていない「耕書堂」は、須原屋さんから横流しで書物を仕入れている状況です。
かつて、のれん分けで日本橋に店を構えた須原屋市兵衛（里見浩太朗さん）は蔦重に、日本橋に店を出すことを勧めます。
須原屋さんといえば、これまで
・蔦重に鱗形屋への奉公を勧めた。・鱗形屋が偽版で捕まった際の身元引受人。・蔦重に商いを奪われた鱗形屋の細見を蔦重の代わりに仕入れていた。・平賀源内の釈放を求める陳情に蔦重・新井白石・平秩東作と一緒に田沼意次を訪ねた…など、良きアドバイザーとして、蔦重に次の一手を勧めてくれる心強い存在です。
須原屋さんは若い頃の自分を蔦重に重ねているのかもしれません。
そんな風に重鎮・須原屋さんから日本橋出店を勧められても、最初は「細かいところを考えたら無理ですね」と、蔦重はできない理由を探していて、そんなこともあるんだぁと思いました。
須原屋市兵衛が源内先生が名付けた「耕書堂」の思いを語り、蔦重自身も源内先生や瀬川の顔が浮かんで、折しも、最初に田沼意次に会うきっかけを作ってくれた和泉屋さんの葬儀での親父さま方への「吉原もの」の扱いを見て、蔦重の心に火が付きました。
「日本橋に店を構えれば、他のことはあっさり先に進む」と須原屋さんが断言していました。確かに往々にしてそういうことってあるなぁと思いました。
※余談ですが、小芝風花さん主演の「あきない世傳 金と銀２」でも、大坂の「五十鈴屋」が江戸に進出します。現代でも「アドレス」が、一定のイメージを生みますので、大事なポイントなんですね。
歌麿からは、「何があってもずっと蔦重のそばにいるよ」と励まされて、忘八の親父さま方にバックアップをお願いする蔦重。
駿河屋の父には殴られ蹴られ、階段から「べらぼう」史上最高に派手に突き落とされても、階段を一段一段這いあがってくる蔦重の気迫がすごいです。この一段一段こそ、蔦重が今まで味わってきた「吉原もの」としての苦渋なのかな。と感じました。
りつから「勝ち目は？強みは？」と聞かれて、22話で集まった忘年会の面々＝蔦重の仕事仲間の名前を述べる蔦重。その仲間はこちらです↓
戯作者：
恋川春町(岡山天音さん）、誠堂喜三二(尾美としのりさん）、志水燕十（加藤虎ノ介さん）
絵師：
勝川春章（前野朋哉さん）、北尾重政(橋本淳さん）、北尾政演(古川雄大さん）、北尾政美(高島豪志さん）
狂歌師：
太田南畝（桐谷健太さん）、朱楽管江（浜中文一さん）、唐来三和(山口森広さん）、元木網（ジェームス小野田さん）
職人：
小泉忠五郎（芹澤興人さん）、四五六（肥後克広さん）
身内・その他：
喜多川歌麿(染谷将太さん）、次郎兵衛(中村蒼さん)、半次郎(六平直政さん）、留四郎(水沢林太郎さん)、・蔦屋重三郎(横浜流星さん)
「日本一の抱え」こそ、出版プロデューサーとして「最大の勝ち目」です。そうなんです。足らないのは日本橋だけ。ゴールが決まったので、あとは「オールオブ吉原」であの手この手で攻めるのみです！！
蔦重の妻となる「てい」の登場。
そしていよいよ、てい（橋本愛さん）が登場しました。17話で蔦重に「往来物を奪われた！」と言っていた丸屋小兵衛（たかお鷹）さんの娘ですね。
入婿さんが吉原の扇屋の花魁・花扇に入れあげて財産を使い果たした。とのことですので、吉原、蔦重、耕書堂を毛嫌いしています。
自分の店・丸屋を絶対売りたくない相手・蔦重に、ていは今度どんな風に絡んでいくのか、何をどうすれば夫婦になるのか。目が離せません。
「てい」は実在の人物？演じる橋本愛さんについては、23話キャスト記事で詳しくご紹介していますので、よろしければそちらもどうぞ。▶『べらぼう』23話キャスト＆最新相関図
管理人がネットや書籍等で調べた内容ですので「ここは違うよ」等がございましたら、Xのアカウント（https://x.com/dramanihoheto）にご連絡頂戴できますと泣いて喜びます。
佐野政言の人柄と置かれている状況が細かく描かれていました。報わえれない、振り向いてもらえない口惜しさがどんどん募っていきます。
佐野政言の真面目で控えめな性格が、負のスパイラルを招く…
史実では、佐野政言が田沼意知に斬りつけて深い傷を負わせ、結果、意知は死に至ります。この事件によって、佐野政言は腐敗した田沼政治にくさびを指した「世直し大明神」と呼ばれることになります。
1702年の忠臣蔵を本屋や芝居でよく知っている江戸時代の人々、理不尽な勢力に立ち向かう健気な姿が市井の人々の心をつかみました。
「べらぼう」での描かれ方を見ていると、意知も偉そうにしているわけではなくて、佐野政言を取り立てようと何度も試みていますし、佐野政言も実直な性格で、親思いがゆえに、田沼家に働きかけても報わらない辛さが募っていって、単純にどちらがいい悪いではなく、どちらにも正義があって、どちらにも事情がある。というがよくわかります。
長谷川平蔵宣以の「ツレ」再登場！
『べらぼう』では、完全にお笑いパートと化している長谷川平蔵の登場シーン。若い頃に放蕩の限りを尽くしただけあって、人当たりや世渡りが上手いのが長谷川平蔵の強みです。
23話は天明3年（1783年）の話ですが、史実によると長谷川平蔵宣以が「火付盗賊改め」に就任するのは1787年とのことなので、この4年後なんだ～と思うと感慨深いものがあります。
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『べらぼう』第23話”我こそは江戸一利者なり”の江戸ことば（地口）は？
土山邸での狂歌の会や、吉原でも狂歌大ブームだけあって、軽妙な地口がたくさん飛び出しました。
・ぬクけケにキ（誰袖と大文字屋が、蔦重が「か行抜きことば」と気付いて「抜荷」の話⁈）
・ありがた山です（蔦重が須原屋から四方赤良の『万載狂歌集』を横流ししてもらって）
・こっちへきな粉もち（熊野屋が蔦重に）
・ありがた山にございます！（長谷川平蔵が『浜のきさご』を買ったと聞いて）
・あり金はなき平で（太田南畝が長谷川平蔵に付けた狂歌名）
・ありが十匹、猿五匹（丁子屋が弔問に一緒にった皆さんに）
・お待ちどんぶり二人連れ（扇屋が忘八の寄合いに奥の手となる人を連れてきて）
特に大文字屋と誰袖の「か行抜きことば」は、金々先生の時も登場しました。前の音と同じ列の音を重ねるのがルールなんでしょうかね。
一度視聴しただけでは、聞き取れない地口や洒落っ気たっぷりのセリフ回し。U-NEXTなら、再生速度が0.6～2倍まで変更できますので、ゆっく地口をお楽しみいただけます。
『べらぼう』第23話”我こそは江戸一利者なり”の主なキャスト
蔦重が吉原からいよいよ日本橋に躍進します。
| 第23話キャスト |
| 蔦屋重三郎：横浜流星 【吉原】 喜多川歌麿：染谷将太 誰袖：福原遥 大文字屋市兵衛：伊藤淳史 松葉屋半左衛門：正名僕蔵 扇屋宇右衛門：山路和弘 りつ：安達祐実 丁子屋長十郎：島英臣 駿河屋市右衛門：高橋克実 【狂歌師】 太田南畝：桐谷健太 【江戸市中】 須原屋市兵衛：里見浩太朗 てい：橋本愛 和泉屋：田山涼成 和泉屋番頭：岡村雄三 白木屋彦太郎：堀内正美 関取：若元春 関取：遠藤 関取：錦木 熊野屋：峰竜太 【江戸城・幕臣】 松前廣年：ひょうろく 田沼意次：渡辺謙 田沼意知：宮沢氷魚 土山宗次郎：柳俊太郎 長谷川平蔵宣以：中村隼人 佐野政言：矢本悠馬 佐野政豊：吉見一豊 【回想】 平賀源内(回想)：安田顕 瀬川（回想）：小芝風花 |
検索機能付き、全登場人物の一覧表です↓。誰が何話で？が簡単に探せます。
『べらぼう』23話のキャスト徹底解説はこちらで詳しくお届けしています↓
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『べらぼう』第23話”我こそは江戸一利者なり”の制作陣
| 脚本 | 森下佳子 |
| 音楽 | ジョン・グラム |
| テーマ音楽指揮 | 下野竜也 |
| 演出 | 深川貴志 |
23話を見終わって、管理人の個人的な感想
瀬川が蔦重の元を去って、源内先生がこの世を去って、新之助はおふく（元・うつせみ）と幸せになって…とここまでいろいろありました。
その度に人生の悲哀を味わってきた蔦重は、ビジネスで大躍進！信頼できる歌麿や、愉快な仲間たちに囲まれて充実した日々を送っているものの、ここでやっぱり浮いた話の1つや２つ欲しいところでした。
子どもの頃から言い寄ってく誰袖と？と思っていたら、誰袖は田沼意知の「顔」に惚れたようで、蔦重のプライベートはどうなっていくんだろうと思っていたところに「てい」さんの登場です。
水と油のような蔦重とていがどんな風に夫婦になっていくのか。蔦重の夢を実現するために身を引いた瀬川の思いが報わるような、そんな展開になっていくのかに注目したいです。
今回の見せ場はなんといっても、駿河屋市右衛門に派手に蹴落とされた階段の下から、蔦重が一噛みしめるようにセリフを言いながら一段一段階段を上ってくる姿。横浜流星さんの気迫の演技に目が釘付けになりました。
最後の最後に駿河屋にもう一回デコピンされて、蔦重が階段を転げ落ちて行かないかハラハラしました。
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まとめ
大河ドラマ『べらぼう』第23話は、”我こそは江戸一利者なり”。蔦重が商いの中心・日本橋に店を出する決意を固めます。
・太田南畝の名前が世間に知れ渡り、蔦重は「江戸一の利者」と呼ばれる
・須原屋から日本橋に出店しないかと勧められる
・「吉原もの」の扱いに、蔦重は日本橋を目指す！
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